自分のエネルギーを奪われない関係か
人間関係の悩みは、私たちが生きていくうえで最も頭を悩ませる問題です。
大ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)ですっかり有名になった精神科医のアルフレッド・アドラーも、
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
と断言しています。
「個人だけで完結する悩み、いわゆる内面の悩みは存在せず、どんな種類の悩みにも必ず他者の影が介在している──」と。
つまり、他者とのかかわりから悩みは生まれてくるわけで、他者がいなければ、私たちは悩む必要はないというわけです。
そのことを前提として他者とかかわるうえで気をつけたいのは、「相手が自分のエネルギーを奪うかどうか」この一点に尽きるのではないでしょうか。
知り合ったばかりの人でも、長く付き合っている人でも、それが親、きょうだい、血縁があろうと全く関係ありません。
私はその一点だけで付き合っていく価値があるかないかが判断できると思っています。
“エネルギーバンパイア”が奪うあなたの大切な3つのもの
その人と一緒にいて、エネルギーをもらえるか、奪われるか。単純に、元気になるか、元気がなくなるかでもかまいません。
人のエネルギーを奪うのは、エゴ(私欲)が強い人で、他人のエネルギーを盗んで自分を満たす、言ってみれば“エネルギーバンパイア”です。
そのバンパイアは具体的に何を奪うのでしょうか。
彼もしくは彼女は、たいてい「時間」か「感情」か「労力」のすべて、もしくはいずれかを奪います。
いつも約束の時間に遅れてきたり、待たせたりする人はいませんか?
その人はあなたの大切な「時間」を奪っています。まさに時間泥棒です。
次に、ネガティブな言動ばかりする人はいないでしょうか。
口を開けば人の悪口、陰口ばかり。どこか行いに悪意が感じられて、気持ちがざわつくような人。
その人はあなたの「感情」を奪います。私は経験上、これが一番自分がされてイヤなことでした。
人の悪口を聞いて、気持ちがよくなる人はいません。いたとしたら、その人も悪口を言う人と同じ穴の貉(むじな)、同レベルの人間なのです。
最後に、してもらったことに感謝できない人はいませんか?
その人はあなたの「労力」を奪います。こちらは最初から感謝してもらおうと何かを思ってするわけではないですが、人の親切心を感じられない、受け取れない鈍感さがある人とはかかわりたくないものです。
エゴが強すぎる人は敬遠される
以上に挙げたことをされると、人は疲れを感じ、無意識のうちに「エネルギーを奪われた」と感じるようです。
その結果、そういう人たちは人から嫌われ、いつも人が離れていくということになるわけです。
人のエネルギーを奪う人は同時にエゴが強いということもいえます。エゴが強すぎる人に人は近寄りません。
「どうぞ勝手に生きていって」と結局は扱われるように往々にしてなってしまうものなのです。
物だけでなく、人間関係の断捨離も叫ばれる時代に入ってきています。
あなたのそばにいる人を、ぜひ一度そんな目で見直してみてください。
整理すべき人間関係があるかもしれません。