犠牲者マインドを捨てよう

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犠牲者意識だけの3年間

犠牲者マインドを捨てる──。

これは介護においてだけでなく、生きていくうえで大変重要なことだと思います。

介護は私の人生ですべての意識を変えた、ある意味「革命」でした。

私は母の介護をするまで、自分が天職と思った編集やライターの仕事をして、好きなお酒を飲んで、気楽にのほほんと暮らしていました。

それが、ある日おひとりさま介護をすることになり、気づけば介護の渦中にいたのです。

「どうして私がこんなことをしなければいけないの」
「なんで毎日こんなにつらいの」
「どうして私だけ……」

こんな犠牲者マインドを抱きながら、3年ほど私はまさに地獄の中にいると思っていました。

母は心臓の大手術を乗り切ったものの、ほどなく尿路感染症にかかってそれまであった認知症も悪化し、それからほとんど歩けなくなりました。それからも大腿骨骨折、肺炎、インフルエンザ、食中毒……と3年の間に入院を10回ほど繰り返しました。

そんななか、私は物理的に仕事ができるような状況ではなくなっていき、あれほど好きだった仕事へのやる気もどんどん失われていきました。

なんとかしないと──。
このままでは私の人生が台無しになってしまう──。

ひたすら母の状態に翻弄され、焦るばかり。

もう、どうしていいかわからない……。

本当に行き詰まってしまったときに、狂ったように書籍やインターネットでさまざまな人の考え方を学ぶようになり、大変救われたのです。

自分に必要な情報(人)にたどりつけば乗り越えられる

介護経験者の方や、心理カウンセラーの方、スピリチュアルな考えを発信されている方のブログやYouTubeにもずいぶん救われました。

ほぼみなさん同様に自分の人生は自己責任であり、人のせいにしない。とにかく犠牲者マインドは捨てる。というようなことを発信されていました。

この人は信用できると思った人の言っていることがだいだい同じだったので、何度も読んだり観たりしているうちに、自分の中で腑に落ちていった気がします。

今は書籍だけでなく、自分で情報をとろうと思えば、インターネットに膨大な情報があがっていて、「これだ!」と思った考え方をどんどん取り入れていくことができます。

自分が信じられると思えたり、有益だと思えたりする情報を発信している人を見つけることは、これからの時代を生きていくうえで、大きな助けや転ばぬ先の杖になるのではないでしょうか。

今では、介護が自分の人生のために必要だったと思えるようになり、犠牲者マインドからかなり解放されました。

人生乗り越えられない問題は与えられない

もちろん、それでも日常的に怒ったり頭にきたり、イライラすることはあります。

でも、根底にあった介護をどうしようもない思いでしているという、ネガティブさからは解放されました。

すべて人生は自分で選んで生きている。介護を選んでいるのも自分。敢えて介護をする人生を選んで自分は生まれてきたと思うことにしました。

そう思うと、自分が犠牲者などという考えはほぼ浮かばなくなります。自分という揺るがない軸を持って生きていけるようになる。

人生において、私たちは越えられない問題や課題を抱えて生まれてこないのです。

犠牲者マインドを捨てられると、面白いくらい人生の視界は晴れて、見通しがよくなります。

今では介護ができたことに感謝していますし、介護をする前の自分を恥ずかしく思うこともしばしばです。

人は前に向かって、どの時点からでも希望を持って生きていけます。

乗り越えられない課題はない。だから、問題や課題がつらく、山が高ければ高いほど、越えられたときには、より大きなものを手にできるような気がします。

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