車椅子をいったん返却すると、そのまま寝たきりに……
昨年10月半ばから腰の骨の圧迫骨折でデイサービスを休んでいた母が、ついに3カ月ぶりにデイサービスに行けました!
最初の2週間は寝返りを打つこともできず、このまま寝たきりになってしまうかもしれないと私も寝られない日が続きましたが、年が明け、このような日が迎えられて本当によかったです。
この約5年間、入院している期間を除いて、母は週に2回、月曜と水曜に自宅から車で5分のところにあるデイサービスに通っていました。
今回はさすがにまだ体力的に週2回は難しいだろうということで、入浴させてもらうために水曜だけひとまず行かせることにしたのです。
車椅子はいったん返却していたので再びレンタルしようと、介護用品の事業所に「また貸してください」と連絡すると、すぐに営業の人が持ってきてくれました。
営業の人が言うには、
「車椅子の再レンタルって原田さんだったんですね。なかなかこういう動きをするのって珍しいんですよ」とのこと。
なんでも圧迫骨折に限らず骨折して外出できなくなり、車椅子をいったん必要がなくなり返却した場合、そのまま寝たきりになってしまうケースが非常に多いのだそうです。
私も今回はかなり厳しいかもしれないと危ぶんでいたので、母はまたラッキーだったと母の持っている運の強さのようなものを感じました。
それはいいとして、すんなりデイサービスに行ってくれるかどうか……。
ヘルパーさんの見事な手際のよさ
車椅子という「足」は来たものの、本人がすんなり行ってくれるかが最も重要な問題です。
認知症だと(そうでなくてもかもしれません)、とにかく当日、その時にならないと行くか行かないかは本人の気分、気持ちにかかっています。
母の場合、私の言うことをまず聞かないという前提があり非常に厄介なので、着替えをさせて送り出すまで(迎えも)をヘルパーさんにお任せしています。
毎回決まったヘルパーさんが来るわけではないので、母との相性もあり、人によってスムーズにいくかいかないかにも差があります。
母はおだてて、褒めてというパターンで接するといいとヘルパーさん方には思われているようで(確かにその通りです)、
「原田さん、今日も素敵ねーー」
「あら、素敵なお洋服。いつもおしゃれねー」
「みんな原田さんが来ないとさみしいって言ってるわよ」
などと、母を最大限に褒め殺してくれ、あの手この手で連れ出してくれます。
「あら、そーお?」
などと母が乗ってきて、まんざらでもないという態度になれば、行けるのはほぼ間違いありません。
着替えさせて、キャスター付きの丸椅子に乗せてしまえば、もうこちらのもの。
あとはシャーッと玄関まで椅子ごと運び、流れでそのまま車椅子に移乗するよう誘導してくれます。
と、さらっと書きましたが、これをやってのけるヘルパーさんが大変なんです。
数カ月ぶりのデイサービスだったからか、ヘルパーさんの事業所は私が心の中で「スーパーヘルパーさん」とあがめている2人を同時に送り込んでくれました。
そういうヘルパーさんに来てもらい、見事な手際で母を連れて行っていってもらったときは、本当に「お見事!」と思いますし、プロってすごいなあとつくづく感心させられます。
家族にはできないことって本当にあるんです。
母にとってデイサービスが唯一の社会
母は久しぶりに外出できたこともあり、帰ってきて感想を聞くと、
「お風呂が気持ちよかった」
「みんなが話しかけてきてくれた」
「いろんな人と話せてうれしかった」
と大変うれしい反応をみせてくれました。
もともと人が大好きで、外出が大好きな母です。
今となっては、母にとってデイサービスが唯一の社会で、外界と接触できる場所です。
週1回でも人と触れ合うことがなによりの刺激になりますし、これからも楽しい気持ちで通ってほしいです。
昨年10月には絶望しかけましたが、本当にこの日を迎えられてよかった。そんな思いでいっぱいになりました。